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2007年08月08日

番外編 思わぬリーガル・リスク発生か 朝青龍に対する日本相撲協会の対応

朝青龍に対する日本相撲協会の処分、そして、その後の朝青龍の症状

http://d.hatena.ne.jp/keiichirohirano/20070802 などでも話題になっているので、

相撲に興味のない輩も、この話題を耳にしてしまう

報道を見る限り、朝青龍の症状はシャレにならないほど深刻と見受けられる。

そして最新の診断によると、急性ストレス障害であるらしい。

ところが、急性ストレス障害と

富山地裁平13・4・19判決などのように傷害罪が成立しうる

PTSD(外傷後ストレス傷害)

 との違いは
「1外傷的な出来事から4週間以内に診断される。
2解離性症状に重点が置かれる」

 という二点だけ


今後の対応次第では、朝青龍の病状がPTSD(もしくは大うつ病などの気分障害)に悪化してしまうかもしれません。

 ところが、

「謹慎意味ない、汗かけば治る…理事から疑問の声も」という見出しのニュース(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070808-00000100-sph-spo)
 にあるように、協会側は朝青龍の病状悪化の危険性を極めて軽くしか考えていないフシがあります。

 もし、協会側が朝青龍の病状悪化を積極的に阻止する対応(選択肢としてはモンゴル帰国も含まれるでしょう)を取らなかったために、朝青龍がPTSD(もしくは大うつ病などの気分障害)になったり、自ら命を絶つような事態になったら、一体どうなるのか。



よくよく調べてみると、日本相撲協会は財団法人であるらしい。
そして日本相撲協会は民法に定める寄附行為があるらしい
その寄附行為によると
「財団法人日本相撲協会寄附行為
(力 士)
第35条 この法人には、力士をおく。
2  横綱および大関以下の力士の階級に関する規定は、理事会の議決により、別に定める。
 (中略)
8  力士は、有給とする。」

 とある。

 つまり、力士である朝青龍(X)と財団法人日本相撲協会(Y)との間には(雇用契約か準委任契約かはともかく)契約関係がある、らしい。

 もし契約関係があるならば、財団法人日本相撲協会(Y)は

 自衛隊員の事故に関する判例でおなじみの

安全配慮義務

 を朝青龍(X)に対して負っているのでしょう。

 にもかかわらず、財団法人日本相撲協会(Y)は

朝青龍(X)の病状悪化を積極的に阻止する対応、すなわち、朝青龍(X)の生命・身体に対して必要な保護をしなかったために、

朝青龍(X)がPTSD(もしくは大うつ病などの気分障害)になったり、自ら命を絶ったら、すなわち、朝青龍(X)の生命・身体に損害が生じたならば

財団法人日本相撲協会(Y)は安全配慮義務に違反したために朝青龍(X)に損害が生じたとして、

朝青龍(X)は財団法人日本相撲協会(Y)に対して安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求権を有する

という結論に至るでしょう(もちろん不法行為に基づく請求も考えられます)。


 ということは、

今の財団法人日本相撲協会(Y)は、朝青龍本人(X)(またはその遺族)から損害賠償請求権を受ける、というリーガル・リスクを抱えているでしょう。

 しかもその請求額は、財政規模のあまり大きくない上に赤字経営の財団法人日本相撲協会(http://www.sumo.or.jp/kyokai/goannai/0025/index.html 参照)にとっては決して小さな金額とはならないでしょう。

前近代的な財団法人日本相撲協会は、このリーガルリスクをいかに扱うのでしょうか。
(「汗かけば治る」と理事が言うからには、扱いきれないでしょうね)

そして、財団法人日本相撲協会(Y)と朝青龍本人(X)(またはその遺族)を当事者とする判例をジュリスト(7%off) 法律時報や判例タイムズ、Lexis判例速報でみることができるのでしょうか。

もしかして、この事案のせいで、財団法人日本相撲協会が民事再生手続開始決定や破産手続開始決定を受けてしまうのでしょうか。管財人はどの先生が就任されるのかな。

 今後の展開がとても、とても、楽しみです。


急性ストレス障害とPTSD(外傷後ストレス傷害)との違い
posted by 一法科大学院卒業生 at 14:19 | TrackBack(1) | 司法制度・法制度への誤解について
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2007年07月09日

企業内弁護士(インハウス・ロイヤー)のメリット早見表

企業内弁護士(インハウス・ロイヤー)のメリットを

法務部員と弁護士との決定的な違い

よりも分かりやすく示したページを見つけました。

そこが知りたい企業内弁護士10問10答


企業幹部の方はぜひとも一読を




posted by 一法科大学院卒業生 at 00:00 | TrackBack(0) | 司法制度・法制度への誤解について
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2007年07月07日

弁護士の仕事は、リーガル・サービスの提供でしかない。

「紛争の公正な解決を図り、人を護るというのも、弁護士が果たすべき責務であることを再確認したい」と言った弁護士がいるという。(
戦う弁護士はどこへ行った!


 弁護士業界に異変が起きている..........
≪続きを読む≫)

 
正直なところ、思い上がりもいいところである。

そもそも弁護士の仕事は、突き詰めて考えれば、リーガル・サービスの提供であって、それ以上でもそれ以下でもない。

 にもかかわらず、弁護士は「紛争の公正な解決を図り、人を護る」責務を負っているというのは、あまりに思い上がった考えである。

 上記記事はM&Aの案件は楽で儲かる、という印象を与えているように思われる。

 しかし、M&Aの案件は

M&A法大全

という分厚い本ができるほど奥深く、会社法だけでなく、労働法、知的財産法、独占禁止法、税法、行政法など様々な法分野を網羅しなければならない。

もちろん、ミスは許されない。

しかも、短時間のうちに仕事を仕上げなければならないため、案件が大きくなるほど、多くの人員と残業を必要とする。

それはまるで

総合芸術・オペラの法律版

と言っても過言ではない。

M&Aの案件は、凡人同士の一般民事事件とは比べ物にならないほど、高度かつ複雑で、スケールも桁違いに大きい(数百億規模の案件はざらにあるという)

M&Aはときに、一国の経済活動に大きな衝撃を与え、社会を変える力さえある(日産・ルノーの提携、ソフトバンクによるボーダフォン買収を思い浮かべていただきたい)

そしてM&Aの成否は主に、法律家には関係のない、

経営サイドの手腕による。

経営サイドがミスをしようがしまいが、法律家たちが結集してリーガル・サービスを提供する点に変わりはない。そして、法津事務所への報酬は法律家たちの仕事(リーガル・サービスを提供)をした時間に基づいて算出される。

あたかも法津事務所がミスをするかのような記載がある、

上記記事は根本的におかしい

M&Aはそもそも企業活動の効率化、ひいては世界経済の効率化に資する極めて有益な取引である。

M&Aをキワモノ扱いするマスメディア・大衆の言説は大いに不満である。



posted by 一法科大学院卒業生 at 09:52 | TrackBack(0) | 司法制度・法制度への誤解について
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2007年06月19日

法テラス関係者の俸給は安すぎる

「法テラス(日本司法支援センター)の理事長の俸給は929,000円、役員報酬規定によれば、常勤理事の俸給は827,7000円、非常勤理事の日当は31,700円です」
 これを高い、という方がいるらしい。

http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2007/04/post_28a8.html

 しかし、これはあまりに誤解に満ちている。

 法律実務家の目から見れば、法テラス関係者(理事長込み)の俸給は安すぎるようも思えてならない。

・渉外法律事務所の新人アソシエイトの年俸は約1000万円程度。

・法テラス(日本司法支援センター)の理事長の年俸は、約1100万円

 法テラス(日本司法支援センター)の理事長に司法修習を終えたばかりの新人弁護士を充てることは考えにくい(理事長ら役員は、支援センターが行う事務、事業に関して高度な知識を有し、適切、公正かつ中立な業務の運営を行うことができる者(裁判官、検察官又は任命前2年間にこれらであった者を除く。)の中から任命されることからすれば、ますます考えにくい)

 しかも、新人アソシエイトの主たる業務内容がデューデリジェンスや契約書のドラフティングであるのに対して、「情報提供(法制度や関係機関紹介)、民事法律扶助、国選弁護の態勢整備、司法過疎対策、犯罪被害者支援、関係機関等との連携の確保強化などの業務を行う」法テラス(日本司法支援センター)の理事長や役員という職務は、おものずと重責を伴う。

 にもかかわらず、新人アソシエイトの年俸と法テラス(日本司法支援センター)理事長の年俸とがほぼ同水準というのはいかがなものだろうか。

 有能な人材を法テラス(日本司法支援センター)から遠ざけてしまうのではないか、と危惧をせずにはいられない。


 
posted by 一法科大学院卒業生 at 13:46 | TrackBack(0) | 司法制度・法制度への誤解について
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2007年06月08日

満員電車は適法です

満員電車は違法

http://miso.txt-nifty.com/tsumami/2007/06/post_024b.html

と言っている方がいるようですが、

これは誤りです(刑法総論を講義に出席してしっかり学んだ法学部学生ならその理由は分かるはずです)


満員電車は違法

の根拠は
◆ 鉄道営業法 第26条
 鉄道係員旅客ヲ強ヒテ定員ヲ超エ車中ニ乗込マシメタルトキハ三十円以下(※罰金等臨時措置法により、現在は2万円以下)ノ罰金又ハ科料ニ処ス

に満員電車が違反している、という点にあります。

 しかし、刑法の世界では満員電車が鉄道営業法第26条に抵触しないことは(おおむね)次のように説明さてれいます。

1.鉄道営業法第26条は「乗込マシメタル」と、使役形で表記されているので、同条に該当する場合は、駅員が乗客に対して乗車を強制したときに限られます。

2.しかし、世の中に存在する満員電車は乗客が自ら進んで乗り込んでいる。
(いやいや乗っているという方もいるかもしれませんが、駅員から強制させてはいないはずです。そもそも満員電車が嫌だと思えば、次の電車を待つなり、別の交通手段(自転車や徒歩など)を利用することもできるのに、満員電車に乗っている以上、駅員から強制されているとは言えません)

3.よって、世の中に存在する満員電車は、駅員が乗客に対して乗車を強制していないので、鉄道営業法第26条に抵触しない(=満員電車は適法)。

(なお、この説明は、文献を一切見ずに書いたおおざっぱな説明なので、詳細は基本書で確認してください)

http://miso.txt-nifty.com/tsumami/2007/06/post_024b.html
は中途半端な法的知識を身に付けた為に起きた誤解です。


 このような誤解をしないためにも、しっかりと法的思考の基礎をこれからも鍛えたいものです。




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posted by 一法科大学院卒業生 at 08:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 司法制度・法制度への誤解について
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